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活火山の3D画像 焼岳

焼岳は最大標高2456mの溶岩円頂丘からなる活火山です。活動はおよそ1万5千年前に始まりました。過去1万年前以降にも多数の噴火が記録され、多くは水蒸気噴火ですが、約2,300年前の噴火では山頂部にある溶岩円頂丘が形成されました。 溶岩円頂丘は成長とともに崩壊し火砕流が発生しています。1915年噴火では東斜面に割れ目火口が発生しました。 この噴火で発生した火山泥流(ラハール)により梓川が塞き止められ、大正池が作られました。

■ 焼岳の3D画像 焼岳の北側から見た画像になります。

焼岳の3D画像

標高モデルはASTER GDEM、画像は国土地理院オルソ画像を用いて作成しました。

■ 焼岳の3D地質図 焼岳の北側から見た画像になります。原山(1990)によります。

焼岳の3D地質図

焼岳火山
Np:中尾火砕流堆積物、Ep:餌掛谷火砕流堆積物、Lh:細池溶岩、Ln:中尾峠溶岩、Dy:焼岳円頂丘溶岩、Slb:下掘沢溶岩、Pn:中ノ湯火砕岩類、Lku:黒谷溶岩、Sd:白水谷土石流堆積物
アカンダナ火山
La:外輪山溶岩
白谷山火山
DS:円頂丘溶岩、Ps:火砕岩類

地質図は原山(1990)をデジタル化したデータを使用しました。

標高モデルはASTER GDEMを用いました。

■ 焼岳の3D地質図 及川(2002)によります。原山(1990)の地質図と大きな違いは見られませんが、中ノ湯火砕岩類(Pn)が無いことなど違いが見られます。 地質図では分かりませんが、原山(1990)では焼岳円頂丘溶岩の流出の後に中尾火砕流が流出したとされていますが、及川(2002)では溶岩ドームの成長と火砕流の発生は同時とされています。

焼岳の3D地質図

焼岳火山
Np:中尾火砕流堆積物、Yd:焼岳円頂丘溶岩、Sl:下掘沢溶岩、Nl:中尾峠溶岩、Hd:細池円頂丘溶岩、Kd:黒谷溶岩、Smp:白水谷火砕岩、Kd:黒谷源頭溶岩、Kda:黒谷岩屑なだれ堆積物
アカンダナ火山
2109:2109m溶岩、Ap:アカンダナ火砕岩類、Atl:安房峠溶岩、Adl:安房谷溶岩、1909:1909m溶岩
白谷山火山
Hp2:平湯川火砕流堆積物2、Hp1:平湯川火砕流堆積物1、UP:上地ヶ根火砕流堆積物、Srp:白谷山火砕岩類、Sd1,2,3,:白谷山円頂丘溶岩類1,2,3

地質図は及川(2002)をデジタル化しました。

標高モデルはASTER GDEMを用いました。

■ 焼岳の3D画像 焼岳の東から見た画像になります。未固結の火砕流堆積物は豪雨時に崩壊し、土石流が発生しています。 焼岳の3D画像

標高モデルはASTER GDEM、画像は国土地理院オルソ画像を用いて作成しました。

■ 焼岳の3D画像 焼岳の南から見た画像になります。焼岳は北アルプス(飛騨山脈)の南端に位置しています。

焼岳の3D画像

標高モデルはASTER GDEMを用いました。

■ 中の湯登山道から見た焼岳

■ 福地温泉付近から見た焼岳

■ 焼岳山頂火口

引用文献

原山智(1990)上高地地域の地質.地域地質研究報告(5万分の1地質図幅),地質調査所,175p.
及川輝樹(2002)焼岳火山群の地質-火山発達史と噴火様式の特徴-.地質学雑誌,108,615-632.

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