活火山の3D画像 知床硫黄山
知床硫黄山の最新活動は1935年から1936年にかけてです。この時の活動では水蒸気噴火と硫黄の流出が記録されています。山体を作る溶岩流等の噴出年代の詳細は明らかになっていません。
■ 知床硫黄山の3D画像 知床硫黄山の北西から見た画像になります。

標高モデルはASTER GDEM、画像は国土地理院オルソ画像を用いて作成しました。
■ 知床硫黄山の3D地質図

標高モデルはASTER GDEMを用いました。Iod1-5:硫黄山火山噴出物。地質は、土居ほか(1970)を一部改変しデジタル化しました。
■ 山頂付近 山頂付近には二つの火口があります(写真手前の裸地となっている部分、ナマコ山を取り巻く凹地状の地形)。噴火口形成の後にナマコ山溶岩円頂丘と南峰溶岩円頂丘が作られたと考えられますが、詳しい年代は分かっていません。

■ 山頂付近の地質 南西側から見た画像になります。空中写真判読によりIod5の分布範囲を修正しています。破線で囲った範囲などでは地質と地形がずれています。原因は次の図で説明します。

■ 左の図が現行の2万5千分の1地形図、右の図が5万分の1地質図幅「羅臼および知円別」です。比較しやすくするために、地形図上に地質区分を重ねてあります。 地質図では矢印で示したカムイワッカ川の上流が地形図より大きくずれているのが分かります。地質図の基図となった旧5万分の1地形図に精度の問題があり、そのため地質と地形のずれが生じてしまったと考えられます。 かつて地形図作成では、熟練した調査員が見通しの良いところから目視で等高線を描いていましたが、尾根の陰になる部分などで谷のずれや欠落などはしばしば生じていました。

引用文献
土居繁雄・酒匂純俊・松井公平・金喆佑(1970)5万分の1地質図幅「羅臼(附円知別)」及び説明書.北海道開発庁.
国土地理院 地理院地図.