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活火山の3D画像 高原山

高原火山は、北部の塩原火山体と南部の釈迦ヶ岳火山体に区分されます。50万年前には大田原火砕流が流出し塩原カルデラを形成しました。続いてカルデラ内では後カルデラ火山の明神岳や前黒山等が形成されましたが詳しい活動年代は分かっていません。 その後活動場所は南に移り釈迦が岳等の成層火山を形成し、10万年前に一旦火山活動は休止しました。6,500年前には北部で火山活動があり富士山を形成しました。

■ 高原山の3D画像 高原山の北西側から見た画像になります。

高原山の3D画像

標高モデルはASTER GDEM、画像は国土地理院オルソ画像を用いて作成しました。

■ 高原山の3D地質図 高原山の北西側から見た画像になります。茶臼岳は東に開いた大規模崩壊地に形成され、溶岩類が東側に向かって流出した様子が見られます。

高原山の3D地質図

第Ⅰ期 先塩原火山期

 PTK:高原凝灰角礫岩類

第Ⅱ期 塩原火山-軽石流噴出に伴うカルデラ形成期

 P:大田原軽石流

第Ⅲ期 塩原火山-後カルデラ火山期前期

 Hl:八方ヶ原下部溶岩類、My:宮川溶岩、Hm:八方ヶ原中部溶岩類、Sul:スッカン沢下部溶岩類、Hu:八方ヶ原上部溶岩類

第Ⅳ期 塩原火山-後カルデラ火山期後期

 U:上野原溶岩類、Ml:明神岳下部溶岩類、Mu:明神岳上部溶岩類、Ma:前黒溶岩類

第Ⅴ期 断裂帯火山期

 Hd:八方ヶ原断裂帯溶岩類、Ka:柏木平溶岩円頂丘及溶び岩類、F:富士山溶岩円頂丘

第Ⅵ期 釈迦ヶ岳円錐火山期前期

 Nl:西平岳下部溶岩類、Nu:西平岳上部溶岩類、Suu:スッカン沢上部溶岩類、Syl:釈迦ヶ岳下部溶岩類、Syu:釈迦ヶ岳上部溶岩類、Ke:鶏頭山溶岩類

第Ⅶ期 釈迦ヶ岳円錐火山期後期

 KN:剣ヶ峰溶岩類、D:大入道溶岩類、Mi:ミツモチ溶岩類、O:大間々溶岩類

地質図は井上ほか(1994)をデジタル化して編集しました。

標高モデルはASTER GDEMを用いました。

■ 高原山の3D地質図 高原山の北東側から見た画像になります。富士山付近には西北西-東南東に延びる断裂(開口亀裂)が複数発達します(赤破線)。富士山の東方及び西方には、大沼などの凹地が連なり水蒸気噴火の火口と考えられ、 水蒸気噴火に続いて溶岩が流出し富士山を形成したと考えられています。

高原山の3D地質図

F:富士山溶岩円頂丘、Ka:柏木平溶岩円頂丘及溶び岩類、Ma:前黒溶岩類、Mu:明神岳上部溶岩類、U:上野原溶岩類、PTK:高原凝灰角礫岩類

標高モデルはASTER GDEMを用いました。

■ 高原山の3D画像 高原山の北東側から見た画像になります。

那須岳の3D画像

標高モデルはASTER GDEM、画像は国土地理院オルソ画像を用いて作成しました。

引用文献

井上通則・吉田武 義 ・藤巻友和・伴雅雄(1994)東北本州弧,高原火山群における山体形成史とマグマの成因.核理研研究報告27,169-197.
奥野充・守屋以智雄・田中耕平・中村俊夫(1997)北関東,高原火山の約6500 cal yr BP の噴火.火山,42,393-402.

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